今日も嫌がらせ弁当

今日も嫌がらせ弁当
77

良い点

  • 色々なキャラ弁が見れる
  • キャラ弁通じたコミカルな母子バトル
  • 綺麗な八丈島の風景

悪い点

ストーリー

7.0/10

演出

6.0/10

印象・独創性

8.0/10

熱中度

6.0/10

音楽・映像・その他

6.5/10

「高校生の娘と母親のキャラ弁によるバトルと心の会話のコミカルで心温まる物語」

どんな内容?

 東京都の八丈島でシングルマザーの「持丸かおり」は、次女の「双葉」と二人暮らし。高校生になった双葉の反抗に対抗して、かおりは娘の嫌がる“キャラ弁”を作り続けて逆襲するのだが、やがてそのお弁当は、会話のない娘への大切なメッセージへと変わっていく。果たして、母娘の3年間のバトルが終わるフィナーレを飾る卒業弁当とは、そして母娘のバトルの勝敗はいかに。

冒頭のストーリー

 ここは八丈島、夫を交通事故で亡くしたシングルマザー「持丸かおり」、最近反抗期の次女「双葉」と話ができず、高校に入学してある嫌がらせを思いつき、そこから母娘の3年間のキャラ弁当を使った「嫌がらせ弁当」をめぐるバトルが開始。果たして、勝つのはどちらか。

(引用元:TOHOシネマズホームページ」)

作品解説

 シングルマザーの母親が、生意気な態度で何を聞いても返事すらしない反抗期の娘、そんな娘への逆襲として始めたキャラ弁を通じた母娘の「嫌がらせ弁当」バトル。「キャラ弁」を作り続けるのだが、やがてそのお弁当は、母と娘の大切な会話・メッセージへと変わっていく。母親の様々な問題などをキャラ弁を上手く使って描かれおり、また、SNSでキャラ弁を見た東京の父子話も絡めながら、全体的にはコミカルで、心温まる映画です。

 ブログが書籍化もされ、人気を集め、2015年に出版されたKaori(ttkk)著のエッセイを原作とし、2019年に公開された実話にもとづき、母親のかおりを篠原涼子、反抗期の娘・双葉を芳根京子が演じるほか、佐藤隆太、松井玲奈、佐藤寛太が共演した2019年公開の映画。
 弁当ものの映画はいくつかあり、今回の母娘のキャラ弁とは違って、父と息子の弁当を通じた物語として「461個のおべんとう」(出演 井ノ原快彦、道枝駿佑、森七菜)などの映画もあります。

(引用元:TOHOシネマズホームページより)

あらすじ

 家族4人、可愛い2人娘は、「大人になったらお母さんと一緒にレストランをやる」と言っていたが、事故で父親が亡くなり、シングルマザーになった母親「持田かおり」(篠原涼子)は、パートを掛け持ちしながら娘を育て、卒業して家をでた長女「若葉」(松井玲奈)は近くで一緒に働いている。一方次女の「双葉」(芳根京子)は、反抗期に突入し、母親を無視して会話もなく寂しい毎日であった。双葉の高校入学をきっかけに、反抗期の娘への逆襲として思いついた、嫌がらせのキャラ弁を高校生の作り続けると決めてバトルが開始される。

 はじめは、娘も嫌々で食べているが、次第に学校でも注目の的になり、毎日皆が集まって弁当を見るようになり、双葉も次第に、弁当を楽しむようになっていく。
 お弁当記録にと、そうしたキャラ弁をSNSに投稿すると、東京の母親が亡くなった父子(息子)がそれを見て、かおりにメールで相談しながら自分でも作り始める。いろいろ父子で問題を抱えながら、キャラ弁作りが、大切な親子のコミュニケーションになっていくことに気が付く。

 一方八丈島では、母娘間で様々なトラブルが発生する。それでも、お弁当を通じた交流を深めていき。そして、卒業の日、果たして、かおりが想いのすべてをこめた、娘の高校生活3年間のフィナーレを飾る〈卒業弁当〉とは。

映画.comホームページ(今日も嫌がらせ弁当フォトギャラリーより)

面白いポイント

①多彩なキャラ弁

 一番の面白さは、やはりキャラ弁。いろいろなキャラ弁が登場し、それに関係した芸人の声も。これほど毎日違ったキャラ弁をつくるアイデアと創造力と体力・気力は、感動ですね。

②キャラ弁通じた母子バトル

 二つ目は、篠原涼子や娘の芳根京子を含めた人々のコミカルでかつ人情味のある演出。全体的にコミカルに話を展開させて継続させていくのも面白かった。映画全体を通じて、ヒューマンコメディと言えるかと。キャラ弁を題材に、ここまで話を膨らませるのも大変だったかと。キャラ弁に合わせて、当時のお笑い芸人が、キャラ弁や実際の画面になどに出てきたのも、面白い演出かな?気楽に観れてなんとなくあったかい気持ちになれました。

③八丈島の雰囲気

 三つ目は、自然や人情が溢れる八丈島の雰囲気が素晴らしかった。自然を映した映像はどれも綺麗で、映画を観た後には観光にでも行ってみたくなるような魅力あふれる映像でした。

写真引用:minneホームページより

キャスト

 母親の持田かおりを篠原涼子が、次女双葉を芳根京子が主演を演じ、佐藤隆太、松井玲奈、佐藤寛太などが共演しています。

母親 持田かおり(篠原涼子)

 持田かおりは、事故で夫を亡くし、幼い2人の娘を、シングルマザーとして、仕事を掛け持ちしながらも、しっかり育てた頑張り屋のお母さん。長女は卒業し家をで、次女は反抗期で無視され、寂しい毎日を送っていた。娘への逆襲として、嫌がらせのキャラ弁作りを高校の3年間ずっと続けることに。病気になっても、とにかく意地でも続き続けた。

 実話であるが、それにしても、よく毎日新しいキャラ弁を考え付くものと感心。素晴らしいアイデアと創造力、それに3年間朝早く起きてつくる体力と気力がすごい。この肝っ玉母さんを、篠原涼子さんが、コミカルに演じています。篠原涼子さんは、アンフェアのかっこいい刑事もいいが、私は「はけんの品格」や今回の映画のようなコミカルな作品が似合う気がします。その本領をこの映画で一杯に出しています。

次女 持田双葉(芳根京子)

 どこにでもいる反抗期の高校生、持田双葉。親を無視し会話もなく毎日を過ごしている。学校では、八丈島の小さな高校で皆顔を知っていて、特に問題はない生活を送っている。恋や将来に悩むといった、ごく普通の学生生活を送っていたが、ただ一つ違っていたのは、親からのキャラ弁攻撃。それにより、親子の会話や愛情、そして高校生として大人へ成長していく。

 この双葉を演じるのが芳根京子さん。色々と評価が分かれた朝ドラの主演でしたが、この映画ではとても魅力的な演技でした。この映画頃からか、ドラマや映画、CMに多数出てき始めて、良かったと思ったりしています。お嬢さんイメージがありますが、芳根さんは、ひょっとして、こうしたコミカルな演技が好きでは。

感想

 3年間休まず早起きしてキャラ弁と作り続けた母親の意地と愛、そしてそれを食べ続けた娘を見ていて、感動を感じてしまった。高校3年間、ずっとキャラ弁はすごい。一同に会した画像が最後に見えましたが、圧巻ですし、各弁当もとても面白い。こんなに、毎日違ったキャラ弁を作れるアイデア・創造力はすごいのひとこと。しかも、弁当作りはやってみると結構時間も体力も必要なため、1週間で疲れて今いますが、それを3年間続けるとは、並大抵のことではないと。しかもキャラ弁ですので、3倍大変。こうした努力もあって、自然と打ち解ける母娘、そうした心の雪解けや、映画全体に出ている人々の心温まる交流も、映画の醍醐味かも。キャラ弁作りの紹介ではなく、主題は人の心の交流だと思われ、そのため、なんとなくほっとしながら心温まる映画となっています。
 3年も弁当を作り続けたら、グレたくてもグレられないし、悪さはできないですよね。しかもキャラ弁とは。自然に、毎日のお昼が楽しみになってしまいますよね。恐るべし、キャラ弁効果。ただし、今回は女子高校生なのでよかったですが、男子高校生の場合のキャラ弁はすこし気を付けないと、いじめになる恐れもあるので、男子高校生は、普通の弁当で。